遺産分割により取得した建物の基礎工事に欠陥があったことが、遺産分割の後判明しました。他の相続人に何らかの請求をすることはできますか?
こういった場合、他の相続人に対して、修理費用あるいは、欠陥のあった建物について遺産分割時に前提とされた評価額と実際の評価額(欠陥の存在を前提とする評価額)との差額を請求できる可能性があります。
ある建物について欠陥がないことを前提にその価値を評価し、遺産分割を行ったのに、実際には欠陥が存在し遺産分割のときに前提とされていたほどの価値を有しないとなった場合、その建物を遺産分割により取得した相続人とその他の相続人との間で均衡を欠く結果となります。そこで、民法は相続人間の均衡を確保するために、相続人は、他の相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じて担保責任を負う旨定めています(民法911条)。
これによれば、上記のように、遺産分割により建物を取得したが、その建物に欠陥があったことが遺産分割の後に判明した場合、他の相続人に対して一定の請求ができる可能性があるということになります。
なお、他の相続人が売主と同様の担保責任を負うのであれば、解除すなわち遺産分割のやり直しも可能なように思われますが、これについて判例は否定的な立場に立っているようです。
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