相続財産を調査するポイントを教えてください。
執筆者
弁護士 山本 哲也

A
被相続人の財産を生前から相続人や同居者が管理していた場合には、その把握も比較的容易ですが、被相続人自身が財産を掌握していた場合は、さまざまな資料を手掛かりに財産調査を行わなければなりません。被相続人の財産の把握には、次のような方法が考えられます。
① 被相続人が金庫を有していたり、銀行等の貸金庫を利用していた場合は、その中の保管書類等を整理し、財産を把握する。
② 被相続人が所得税の確定申告を行っていた場合は、申告内容から収入の基となる財産を把握する。また、確定申告時に「財産債務の明細書」(財産債務調書)を提出している場合は、その内容を参考にする。
③ 預金通帳の出入記録を精査し、定期預金の利子、上場会社等からの配当金、証券会社や保険会社からの収受金があれば、その元本等となる財産を確認する。また、出金内容から借入金等の債務も調査する。
④ 名刺ファイル等により、不動産関係、銀行・証券会社・保険会社関係の取引を想定し、これらに関連する財産の有無を調査する。
⑤ 被相続人が記録していた日記帳や手帳等があれば、その記載内容から財産を把握する。
なお、相続財産の調査にあたっては、借入金や未払金等の債務、未納の公租公課のほか、被相続人が生前に行った財産贈与があれば、その内容も確認する必要があります。これらは、相続税の申告や遺産分割協議に際して重要な事項となります。
さらに詳しいことにつきましては、相続実務に精通した弁護士にご相談ください。
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