遺言書に、相続に関係のないことを書き加えてもいいですか?
執筆者
弁護士 山本 哲也

A
遺言書に記載する事項としては、相続分の指定や分割方法の指定、子の認知といった法定遺言事項があります。
これら法定遺言事項に当たるものは、遺言としての法的効力を持ち、法定遺言事項を欠く遺言書は、遺言書としての意味を持たないことになります。
一方で、法定遺言事項以外の事項も、遺言書に記載することができます。
具体的には、これまでの感謝の気持ち、遺言書を作成した理由や経緯、残された家族にどのように生きていってほしいか、など、遺言書を作成する者の気持ちや家族に伝えたい事柄を記載することができます。これらの事項は、付言事項などと呼ばれ、法的効力を持ちません。
具体的な書き方としては、法定遺言事項を記載した後、「(付言事項)」などと見出しを付けて、その下に付言事項を書く場合があります。
このようにすれば、その部分が付言事項であることが明確になります。もっとも、「(付言事項)」などと記載していない場合でも、法的効力を持たない記載は付言事項として扱われます。
遺言書は、残された者に対し、財産の処分の仕方などを指示し、できる限り争いが起こらないようにする機能を持つものです。それは付言事項についてもいえることですから、付言事項を書くのであれば、感謝の気持ちなどを書くようにし、不必要な争いが起こらないよう、残された家族らに対する否定的なことは書かないようにするのがよいでしょう。
より詳しいことにつきましては、一度、相続の実務に精通した弁護士にご相談ください。
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