相続税の申告期限が迫る中、前妻の子どもからの圧力に悩んだ後妻が、弁護士とともに法定相続分を確保した事例

女性

ご相談内容

遺産分割

解決方法

協議

相続人

3人(前妻の子2人・後妻)

被相続人との関係

後妻

相続財産

自宅不動産、預貯金

ご相談の経緯

ご相談に来られたのは、被相続人の現在の配偶者(後妻)です。被相続人が亡くなられた後、前妻の子ども2人から「相続放棄すべきだ」といった強い圧力をかけられたり、「法定相続分を大幅に下回る取り分でなければ協議に応じない」といった強硬な態度を取られ、まったく冷静な話し合いができない状態となっていました。

ご相談の中で、当職からは「法定相続分を大幅に下回るような条件で無理に話し合いに応じる義務は一切ない」ことを明確にお伝えしました。その上で、相談者自身も「一人で対応することに限界を感じていた」「本音を言えば納得のいく形で相続したい」というお気持ちを打ち明けてくださり、当事務所に正式にご依頼いただくこととなりました。

ご相談の経緯

解決までの流れ

まず、本件は相続税の申告が必要となる事案であり、死亡日から10か月以内に手続きを完了する必要がある状況でした。申告期限を過ぎると、配偶者控除などの税制上の特典が使えず、多額の相続税を一時的に納めなければならない可能性がありました。そのため、可能な限り早く相続人全員の合意を取り付ける必要がありました。

当職では、速やかに前妻の子ども2人に対して連絡を取り、相続協議に着手しました。加えて、依頼者の意向――たとえば「どの程度の取得分を希望しているか」「どういう形での解決が一番望ましいか」などについても、丁寧に何度も確認を重ねました。依頼者の気持ちに揺らぎがないことを確認したうえで、他の相続人との交渉を進めました。

対応結果
交渉の結果、他の相続人2名も当方の主張に理解を示し、依頼者が法定相続分を取得する内容で合意が成立しました。調停や審判などの家庭裁判所を通じた手続きを行うことなく、協議による遺産分割が実現できたのは大きな成果です。さらに、相続税の申告期限である10か月以内に協議が成立し、税務上の不利益も避けることができました。

解決までの期間
正式なご依頼から解決までに要した期間は約4か月でした。相続税の申告期限にも余裕を持って対応することができました。

解決までの流れ

担当弁護士からのコメント

本件のように、相続人同士で感情的な対立がある場合、話し合いが行き詰まると調停や審判といった裁判所を通じた手続きに進むことがあります。しかし、そうなると時間も費用もかかり、精神的な負担も増してしまいます。

今回は、「裁判所を通じた手続に進んだ場合は、結局法定相続分どおりに分けることになる」という法的な見通しを相手方にしっかり説明したことで、早期の合意につながりました。

また、相続税の申告期限が迫っていた中で、未分割の状態で申告せずに済んだことも大きな成果です。未分割申告となると、一時的に相続税控除(特に配偶者控除)が使えず、納税額が大きく膨らむリスクがあります。本件では、期限内に遺産分割協議を成立させることで、そのような経済的リスクを回避することができました。

このように、相続税の申告が関係する事案では、法律的な交渉だけでなく、税務的なタイミングも非常に重要となります。早期に弁護士などの専門家に相談いただくことで、円滑かつ有利な解決につながる可能性が高くなります。本件はまさにその好例といえるでしょう。

担当弁護士からのコメント

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