相続人の順位とは

1.相続人の順位について

分割のイメージ

まず、相続人の順位を説明する前に被相続人・相続人についてご説明いたします。

簡単に言うと、被相続人とは亡くなった人のことです。

そして、相続人は被相続人の財産を引き継ぐ人のことです。

法定相続人とは

遺産を引き継ぐことができる人は民法で定められており、これを法定相続人といいます。

法定相続人となるのはどのような人なのでしょうか。

配偶者は必ず法定相続人となる

まず、被相続人の配偶者(法律上の婚姻関係にある夫・妻)は、常に法定相続人となります。

「法律上の婚姻関係」が必要ですから、被相続人の内縁の夫・妻(婚姻の実体はあるが、法律上の婚姻関係にはない夫婦)の場合には、法定相続人にはなれません。

内縁の関係について詳しくはこちら

 

被相続人が死亡した時点で離婚が成立していれば、元夫や元妻も法定相続人にはなれません。

反対に、離婚が成立していなければ、配偶者は法定相続人となります。夫婦が別居中であったり、離婚調停をおこなっているなど婚姻関係が破綻していたとしても同様です。

配偶者以外の法定相続人

次に、配偶者以外の者は、次の順序で配偶者と共に相続人となります(民法887、889条)。先順位のグループに属する者がいれば、次順位のグループに属する者は相続人となることができません。

なお、配偶者以外の相続人を血族相続人ということもあります。

 

第1順位 亡くなった人の子供及び代襲相続人
第2順位 亡くなった人の直系尊属(親や祖父母など)
第3順位 亡くなった人の兄弟姉妹および代襲相続人
  • 第1順位は子供
    亡くなった人に子供がいれば、第1順位の相続人となります。
    その子供が既に亡くなっている場合は、被相続人の孫、さらにその孫が死亡している場合は被相続人の曾孫が相続人となります。これを代襲相続と呼んでいます。

代襲相続について詳しくはこちら

  • 第2順位は直系尊属(親や祖父母など)
    親や祖父母など、自分より前に生まれた直系の血族のことを直系尊属といいます。
    子供に次いで第2順位となるのが親や祖父母です。
    親・祖父母とも存命の場合は、亡くなった人により近い世代の直系尊属である父母が優先されます。
    第2順位の者は、第1順位の者がいない場合に相続人となります。
  • 第3順位は兄弟姉妹
    第3順位は亡くなった人の兄弟姉妹です。
    第3順位の者は、第1および第2順位の者がいない場合に相続人となります。
    兄弟姉妹が死亡している場合は、兄弟姉妹の子供(被相続人の甥姪)が代襲相続人となります。その先の世代では代襲相続(再代襲相続)は発生せず、甥姪の直系卑属は代襲相続人とはなりませんので注意が必要です。

法定相続人に関する注意点

法定相続人については上記で述べたように民法で決められていますが、次のような注意点があります。

  • 相続人が相続放棄した場合
    相続放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。
    例えば、法定相続人の第1順位である子供が全員相続放棄した場合、第2順位の親が法定相続人となります。放棄をした子供に子供(被相続人の孫)がいたとしても、孫が代わりに法定相続人になることはできません。

 相続放棄について詳しくはこちら

  • 養子縁組した場合
    被相続人が生前に養子縁組をしていた場合、その養子は第1順位の法定相続人になります。実の子供と養子とで相続分に差はありません。
    なお、養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組の2種類があります。普通養子縁組の場合、養子は養親と実親のどちらからも相続をすることができます。それに対し、特別養子縁組の場合は養親の相続権はありますが、実親の相続権はありません。

 養子について詳しくはこちら

  • 相続人が行方不明の場合
    遺産分割協議を行う場合、全員で話し合って合意を形成しなければなりません。相続人が1人でも欠けた状態で行った遺産分割協議は無効となってしまいます。
    行方不明の相続人がいる場合には、その人の戸籍の附票から住所を辿って居場所を突き止めたり、どうしても連絡が取れないのであれば失踪宣告などの手続きを利用して、相続人を確定する必要があります。

 失踪宣告について詳しくはこちら

  • 相続欠格、相続人廃除された相続人がいる場合
    相続欠格や相続人廃除の対象者は法定相続人になることができません。
相続欠格 相続人が民法所定の行為をおこなった場合、被相続人の意思とは無関係にその相続権を剥奪する制度
例)
・被相続人や他の法定相続人を死亡させたり、または死亡させようとした・詐欺や強迫によって、被相続人に対して遺言書の作成等を妨げたり、遺言書の内容を変更させる
相続人廃除 被相続人に対して虐待や侮辱等の行為をおこなった相続人に対し、被相続人の意思によって裁判所に申立てて相続権を喪失させる制度

 相続欠格・相続人廃除に関して詳しくはこちら

まとめ

以上で述べたように、被相続人は亡くなった人のことをいい、相続人とは亡くなった人の財産を引き継ぐ権利のある人をいいます。相続人になることができる人の範囲は民法で決まっており、配偶者は必ず相続人となります。

 

配偶者以外の相続人には順位があり、子供が第1順位、親や祖父母が第2順位、兄弟姉妹は第3順位となります。

 

相続放棄した場合や相続人が行方不明の場合等、相続人の範囲や人数が変わる場合もありますので注意が必要です。

2.相続にまつわる相続トラブルは専門家に相談を

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相続で一番重要な問題となるのは誰が相続するのかという事です。相続権のない人も自分には相続財産を貰う権利があると主張することもしばしばあります。実際に遺言書にそのような旨の記載がある場合を除き、法定相続人だけで相続財産を分けることになります。しかし、相続は人生で何回も体験する出来事でもないので、そのような事実を知らずに相続財産を渡してしまうケースがあります。そのような事態を防ぐために事前に弁護士などの専門家に相談することが重要です。

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