土地と借地権について

1.借地権について

家の模型

借地権には、地上権と賃借権が含まれますが、問題となることが多いのは賃借権です。

賃借権は、土地を利用できる権利ですから、場合によっては高額で売買されることもあり、それ自体が財産的な価値を有しています。

このような賃借権は、賃貸借契約を結んだ借地人が死亡したからといって消滅するものではありません。借地権は、相続財産として相続人により相続され、遺産分割協議の対象となります。

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使用借権との違い

借地権とは異なり、賃料等の対価を支払う義務のない使用借権を発生させる使用貸借契約は、借主が死亡することにより使用貸借契約が終了します(民法597条3項)。したがって、使用借権は相続されませんので、注意してください。

借地権を相続する場合の注意点

相続により借地権は相続人に受け継がれますが、これについて地主の承諾は必要ありません。

したがって、相続人は、相続を原因として、地主から建物を取り壊して立ち退けと要求されても、拒否することができます。

2.親から使用貸借契約によって土地を借りている場合

名義書換

親が所有する土地の上に、子が自分の名義で家を建てる。これ自体は別段変わったことではなく、よくある話です。  

子が無償で親の土地を使用している例もよくあり、このような場合には、親と子の間で使用貸借契約が結ばれていると見ることができます。

そして、親が亡くなれば、そのような土地も当然に相続の対象になります。

家を建てた子のほかに相続人がいる場合、その土地を誰と誰がどれだけ相続するかということが問題となります。

せっかく家が建っているわけですから、できれば解決法としては、家の所有者である者が土地を1人で引き継ぐのがよいでしょう。

そこで、当該建物の所有者は相続人となる親族に「他の財産についてはみんなに譲るから、この土地だけは自分に譲ってほしい」といった話をするのが普通です。

或いは、被相続人となる親に対して働きかけ、「○○が住んでいる土地は○○1人に相続させる」という遺言書を書いてもらうこともあり得ます。

2019年の法改正により配偶者居住権制度が創設され、配偶者は、被相続人が所有する建物に相続開始時に住んでいた場合、終身または一定期間、その建物を無償で使用することができるようになりました。

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3.賃貸マンションに夫婦で住んでいて、借主だった夫が亡くなった場合

前述したように賃貸借は、賃借人(借主のことです)が死亡したことによって終了するわけではなく、賃借人の相続人らによって相続されることになります。

 したがって、今回の場合、マンションの賃貸借についての借主の地位を、相続人が相続することになります。ほかに相続人がいなければ質問者の方が単独で、ほかに相続人がいればその相続人(ら)と質問者の方が共同で、借主の地位を相続することになります。

したがって、今回のご質問の場合ですと、質問者の方は、ご主人が亡くなられたからといって、住んでいるマンションから出て行く必要はありませんが、借主の地位を引き継ぐということですから、賃料の支払い等、借主としての義務を果たしていく必要が出てきます。

また、契約の当事者が死亡したことで、貸主の方から、契約更改や更新料の支払を求められたとしても、それに応じる必要はありません。

4.賃料収入について

遺産の中に、被相続人が他の者に賃貸していた土地や建物がある場合、相続開始後も、これらの土地や建物からは賃料収入が発生することになります。

 相続開始後から遺産分割までの間に生じた賃料債権については、各共同相続人がその相続分に応じて分割された権利を確定的に取得することになります。

例えば、相続人が被相続人の妻と子一人である場合、遺産である建物から毎月30万円の賃料収入が発生しているとすると、妻と子の相続分は1:1ですので、妻と子はそれぞれ15万円の賃料債権を取得することになります。
このことは、相続開始後から遺産分割までの間に生じた賃料債権は遺産に含まれず、遺産分割の対象とならないことも意味しています。

5.詳しくは専門家に相談を

案内する男性

土地や家、マンションの賃貸借をめぐる権利義務関係がどのように相続されるかは難しい問題です。したがって、貸主や他の相続人が間違った知識を前提とした権利主張をしてくることも考えられます。土地や家、マンションは財産価値が大きくなることが多く、それだけ争いが深刻になりがちです。争いの発生や深刻化を防ぐために、早い段階で弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

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