被相続人3人について遺産分割協議により、全財産を相続することになった事例
- 執筆者弁護士 山本哲也
事件の概要
事件の種類 | 遺産分割協議 |
解決方法 | 交渉 |
相続人 | 父、母、兄 |
相続財産 | 不動産、預貯金等 |
相談の経緯

兄が亡くなり相続が開始しましたが、兄よりも以前に父母が亡くなっており、父母の相続について何もしていなかったため、3人の相続が絡む状態になっていました。
また相続人である子供の中に相続放棄した方が複数おり、またその相続放棄も被相続人の1人についてのみしている場合があるなど相続関係が複雑化してしまっており、相談者の方もどうすれば良いかよく分からない状況にありました。
また相続人中に連絡が取れない方がおり、遺産分割協議をすることができない状態でした。
そのため、今後の方向性等について相談をご希望になりました。
解決方法

相続人の中に相続放棄をした方が複数いるとのことでしたので、まず相続人を確定させるために戸籍や相続放棄の有無の確認を行いました。
また、財産についても不明な部分があったため財産の調査を実施しました。調査終了後は、他の相続人の方に実際にお会いして、財産の状況等について説明を行い、遺産分割について協議を行いました。
結果として依頼者様が全財産を相続するという内容により協議がまとまりましたので、同内容にて遺産分割協議書を作成致しました。協議書作成後には、預貯金の解約手続等を行い、財産の整理を行いました(不動産の登記については、司法書士の先生に引き継いでおります)。
【参考】相続放棄で注意すべきこと |
解決のポイント

財産の調査や相続人の確定、相続放棄の有無の確認については、依頼者様から事前に情報をお伺いしておりましたので、特段の支障なく円滑に実施をすることができました。
本件では、相続人の中に依頼者様では連絡を取ることができない方がいましたので、その方と連絡をとることができない可能性があり、依頼者様のお話では協議が難航するような可能性もありましたので、解決までに時間を要することが想定されました。
相続人の方の住所は分かっておりましたので、まずは書面にて現在の状況等について通知を送り、反応を待ちました。
そうしたところ、相続人の方がすぐに連絡をくださり、お電話で話をすることができました。
状況等をお伝えし、遺産分割協議を行う必要がある旨お伝えしたところ、直接会って話を聞きたいとのことでしたので、実際にご自宅に訪問し、状況の説明や遺産分割についての協議を行いました。
協議は円滑に進み、最終的には依頼者様が全財産を相続するという内容で早期に協議がまとまりました。
依頼者様も予想に反して円滑に協議が終了しましたので安堵しておられました。
遺産分割協議書作成後は、弊所において預貯金の解約等の手続を行い、無事終了となりました。
※本件は当事務所でご依頼をお受けした案件ですが、関係者のプライバシー保護等の配慮のため、案件の主旨を損ねない範囲で事実関係を一部変更している箇所がありますのでご了承ください。
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