相続法

相続法とは

『相続法』という名の法律は存在しません。

しかし、我々の日常生活に関わりの深い法律である民法の第5編「相続」で規定されている条文を総称して相続法と呼ぶことがあります。

相続においては、財産を残す者(=被相続人)と、被相続人が残した財産を承継する者(=相続人)の2つの立場があります。

殆どの人は、その人生の中で、相続に直面すると思います。

しかし、遺産というものは、相続人が働いて稼いだお金ではないことに加え、金額が大きい場合もあることから、どうしても人を狂わせる要素をもっています。

そのため、今まで仲の良かった家族や親族を敵対させてしまう程のトラブルへと発展してしまうケースも少なくないのです。

相続法は、人の死亡に伴う財産承継に関する基本法として、とても重要な役目を果たし、社会の秩序を守り続けています。



相続紛争が生じた際には、この相続法で定められたルールを基準にして、紛争の処理がなされることになっているのです。

相続の対象となる人

遺産相続の模型

相続法を概観してみましょう。

相続は、被相続人の死亡を原因として開始します。

相続で最初に問題となるのが、誰が相続人となるかです。民法は、相続人として、配偶者相続人と血族相続人を定めています。配偶者相続人は血族相続人と並んで常に相続人となります(民法890条)。それに対し、血族相続人については順位があり、第1順位として子(民法887条1項)、子がいなければ第2順位の直系尊属(父母等)、直系尊属がいなければ第3順位の兄弟姉妹が相続人となります(民法889条1項)。

もっとも、相続人となるべき者であっても、相続欠格(民法891条)や相続廃除(民法892条)により、相続権を失うことがあります。

また、相続人は何もしなければ被相続人の財産を承継することになりますが、相続人が能動的に財産を承継するかどうか(相続人になるかどうか)を決断することができます。それが放棄(民法915条)、単純承認(民法920条)、限定承認(民法922条)の制度です。

誰が相続人となるかが定まると、次に問題になるのは、誰がどれだけの割合で相続をするかです。

法定相続分とは

配分

民法は、各相続人の一応の相続分として、法定相続分を定めています。法定相続分は配偶者の有無や血族相続人の属性、数によって異なります(民法900条)。

法定相続分は、個別具体的な事情を考慮して定められているものではありません。被相続人から特定の相続人が贈与や遺贈を受けていた場合には、その相続人の実際の取り分を減少させるべきでしょうし、ある相続人が被相続人に特別の貢献をしていた場合には、その相続人の取り分を増加させるべきです。前者のような場合に考慮される利益を特別受益(民法903条)、後者のような場合に考慮される利益を寄与分(民法904条の2)といいます。

そして、特別受益や寄与分を考慮して算定された相続分を具体的相続分といいます。

具体的相続分が決まったとしても、それだけで個々の財産が相続人に帰属するわけではありません。具体的相続分に従い、個々の財産を相続人に帰属させる手続を経る必要があります。この手続を遺産分割といいます(民法906条)。

遺産分割は相続人全員の協議によって行われますが、協議が調わない場合には、家庭裁判所の調停や審判によって分割がなされることになります。

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以上で見てきた制度は、基本的には被相続人の意思とは無関係に被相続人の死後の法律関係を決定します。それに対し、遺言は、被相続人の意思を反映させることができる制度であると言えます。例えば、被相続人は、遺言により、ある相続人に対して法定相続分よりも多くの財産を与えることもできますし、法定相続人以外の者に対して財産を与えることもできます。

遺言について

封筒と鍵

遺言には、他人を被相続人の意思により一方的に拘束すること、遺言の効力が発生する時点では被相続人が死亡しているために被相続人の真意を確認することができないこと、という特徴があります。この特徴から、

  • 遺言によって決めることができる事項は法定されたものに限る
  • 遺言には厳格な方式が定められている

という制約があります。

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どのような内容の遺言をするかは被相続人の自由ですので、特定の相続人に対して全財産を相続させるような遺言も有効です。もっとも、他の相続人としては、そのような遺言が存在しなければ財産を相続できたにもかかわらず、遺言があるために何も財産を得ることができないことになってしまいます。民法は、相続人の遺産に対する期待を保護するために、一定範囲の相続人に対し、被相続人の財産の一定割合について相続権を保障しています。相続財産のうち、相続人に保障される部分を遺留分といいます。他の相続人に遺留分を侵害された相続人は、遺留分の侵害者に対して遺留分侵害額請求権を行使することにより、侵害額に相当する金銭の支払を目的とする債権を取得することになります。

遺留分について詳しくはこちら

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