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相続放棄を兄弟や親族まとめてすることはできますか?費用はどうなりますか?
- 執筆者弁護士 山本哲也

被相続人が多額の借金などの負債を抱えて亡くなった場合には、相続放棄が有効です。
しかし、相続放棄をするためには家庭裁判所で手続きをしなければならず、必要書類も多く、手間もかかります。少しでも手間を省くために、兄弟姉妹や親族でまとめて相続放棄をしたいとお考えの方も多いことでしょう。
今回は、相続放棄を兄弟姉妹や親族でまとめてすることができるのか、まとめて相続放棄をする場合に費用はどれくらいかかるのか、などについて解説します。
目次
兄弟はまとめて相続放棄できますか?
結論からいいますと、兄弟姉妹はまとめて相続放棄をすることができます。
複数人の兄弟姉妹がいる場合、全員が一緒に相続放棄をすることもできますし、一部の兄弟姉妹がまとめて相続放棄をすることもできます。もちろん、各自が単独で相続放棄をすることも可能です。
まとめて相続放棄をする場合には、共通する書類は人数分を家庭裁判所へ提出する必要はなく、1通で足ります。そのため、手続きにかかる手間を減らすことができます。
また、相続放棄の手続きを弁護士などの専門家に依頼する場合には、まとめて依頼することで費用が割安になるというメリットも得られることが多いです。
親族の相続放棄はまとめてできますか?

まとめて相続放棄ができるのは、同順位の相続人のみです。
なぜなら、後順位の相続人は、先順位の相続人が相続放棄をしてはじめて相続人となるからです。そのため、親族全員が相続放棄をまとめてできるとは限りません。
相続順位は、民法で以下のとおり定められています。
- 常に相続人となる人:配偶者
- 第1順位:子
- 第2順位:直系尊属(両親、祖父母など)
- 第3順位:兄弟姉妹
配偶者は常に相続人となりますので、どの順位の相続人ともまとめて相続放棄をすることができます。
したがって、被相続人に配偶者、子ども、両親、兄弟姉妹がいて、親族全員が相続放棄をする際に、できる限り手間を減らすためには、まず、配偶者と子どもがまとめて相続放棄をすることになります。
その次に両親が一緒に相続放棄をし、最後に兄弟姉妹がまとめて相続放棄をすることになります。
兄弟や親族の相続放棄を山本総合法律事務所に依頼する際の費用
山本総合法律事務所へ相続放棄をご依頼いただく場合、基本的に1人あたり7万円(税別)の報酬金をお願いしております。
ただし、相続人3名以上の場合は内容に応じて減額することがありますので、兄弟姉妹や親族でまとめてご依頼いただければ、割安の料金でご依頼いただくことが可能です。
裁判所へ納める印紙代や郵便切手代、通信費、交通費等の実費は別途必要となりますが、まとめてご依頼いただければ実費も割安となります。
なお、相続放棄の期限が迫っている場合や、相続開始後3ヶ月以降に申し立てる場合など、状況によっては別途増額することもございますので、ご了承ください。
兄弟が相続人になる場合

兄弟姉妹の相続順位は第3位ですので、兄弟姉妹が相続人になるのは次の2つのケースに限られます。
被相続人に子どもも両親もいない
相続開始の時点で、被相続人に第1順位である子どもも、第2順位である両親もいない場合は、第3順位である兄弟姉妹が相続人となります。
ただし、孫や祖父母がいる場合は注意が必要です。
子どもが既に亡くなっていても、孫がいれば、孫が代襲相続して第1順位の相続人となりますので、兄弟姉妹は相続人となりません。
また、両親とも既に亡くなっていても、祖父母が存命であれば、祖父母が第2順位の相続人となりますので、兄弟姉妹は相続人となりません。
なお、被相続人に配偶者がいて、第1順位と第2順位の相続人がいない場合は、配偶者と兄弟姉妹が相続人となります。
被相続人の子どもと両親が相続放棄をした
相続開始の時点で被相続人に第1順位や第2順位の相続人がいたとしても、その全員が相続放棄をした場合には、兄弟姉妹が相続人となります。
相続放棄をした人は、その相続に関しては、はじめから相続人にならなかったものとみなされますので、後順位の人が相続人となるのです。
そのため、子どもや両親が相続放棄をして、そのことを兄弟姉妹に連絡しなければ、兄弟姉妹が知らないうちに被相続人の借金を相続してしまうことにもなりかねません。
このようなトラブルを回避するためには、なるべく親族がまとめて相続放棄することを検討した方がよいでしょう。
相続放棄のメリット・デメリット

相続放棄のメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット
相続放棄をすれば、被相続人が抱えていた借金などの負債を引き継がずに済みます。これが最大のメリットといえるでしょう。
その他にも、相続手続きの手間や、遺産分割を巡る親族間の争い、相続税の負担から解放されるというメリットもあります。
デメリット
相続放棄をすると一切の遺産を受け取れなくなりますので、預貯金や不動産などプラスの遺産も受け取れないことに注意が必要です。
場合によっては、プラスの遺産の範囲内でのみマイナスの遺産を引き継ぐ限定承認も検討してみるとよいでしょう。限定承認の手続きは、必ず相続人全員がまとめて行うこととされています。
また、相続放棄をした場合には代襲相続が発生しませんので、ご自身の子ども(被相続人の甥・姪)に遺産を引き継がせたい場合にはご注意ください。
なお、相続放棄をした後に遺産の保存義務が残る場合もあることに注意が必要です。相続人全員が相続放棄をした場合には、速やかに相続財産清算人の選任申し立てを行った方がよいでしょう。
まずは弁護士にご相談ください

相続放棄の手続きは、原則として相続開始から3ヶ月以内に行う必要があります。
まとめて相続放棄をする場合でも、配偶者・子ども、両親、兄弟姉妹とステップを踏む必要がある場合には、速やかに手続きを進めることが大切です。
また、相続放棄をする前に一度、メリットとデメリットをよく考えてみた方がよいでしょう。
ただし、悩んでいると時間だけが過ぎてしまい、相続放棄ができなくなるおそれもあります。そんなときは、早めに弁護士などの専門家へ相談してみることをおすすめします。
弁護士法人山本総合法律事務所は、相続放棄の手続きに精通しております。
「まとめて相続放棄をしたい」、「相続放棄をした方がよいのか迷っている」このようなお悩みを抱えている方は、是非お気軽にご相談ください。
