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成年後見人の変更・解任は弁護士にご相談を。認められる理由と法的手続きを徹底解説
- 執筆者弁護士 山本哲也

目次
成年後見人へこのような不満や疑問はありませんか?
- 後見人が思うように動いてくれない
- 後見人がこちらの話を聞いてくれずコミュニケーションがとれない
- 後見人の財産管理の方法に不安がある
今の成年後見人に対して、上記のような不満や疑問を感じていませんか?
このような場合、今の成年後見人を変更したいと考える方もいるでしょう。結論から言えば、成年後見人の変更(解任)は可能です。
ただし、一度選任された成年後見人の変更・解任は、個人的な感情だけでは簡単には認められません。
後見人の選任や解任は家庭裁判所が判断しますから、法律で定められた正当な理由に該当しない限り後見人を辞めさせることはできないのです。
本記事では、解任が認められる事由、解任手続の流れ、解任が難しい場合の対処法などを解説します。
成年後見人が「変更」される主な3 つのケース

成年後見人が死亡した場合
成年後見人が死亡すると、当然ですが成年後見人が職務を遂行することはできなくなりますから、被後見人や親族といった利害関係者からの請求又は家庭裁判所の職権で後任の成年後見人が選ばれます。
成年後見人が辞任した場合
一度選任された成年後見人は、原則として辞任できません。
もっとも、成年後見人自身に病気や遠方への転居等、後見人としての職務遂行が困難となる事情が生じた場合、家庭裁判所の許可を得た上で辞任することができます。
その後、後任の成年後見人が選任されることとなります。
成年後見人が解任された場合
成年後見人に不正行為等の解任事由があり、家庭裁判所が成年後見人を解任した場合も、後任の成年後見人へ変更されることとなります。
解任の申立を行える者は被後見人本人、親族、後見監督人や検察官などに限られ、不正が重大な場合は裁判所が職権で解任する場合もあります。解任事由の詳細については後述します。
後見人を「解任」できる法的な理由とは?

成年後見人を解任できるのは、法律で定められた以下の3つの事由に該当するときに限られます。
- 不正な行為:被後見人の財産を違法・不当に流用する行為です。典型例は後見人が被後見人の預貯金を横領するケースです。
- 著しい不行跡:後見人の素行が甚だしく悪かったり、言動が品位に欠けていたりすることを指します。これらにより後見業務に支障をきたし、被後見人の財産が減少するおそれや身上監護の危険が生じるおそれが認められる場合、解任事由に該当します。
- その他後見の任務に適さない事由:後見人としての適格性を欠く事情がある場合を指します。善管注意義務違反や職務怠慢、後見人自身の病気や高齢で職務遂行が困難になった場合などが該当します。後見人の権限を濫用する、必要な報告をしない、被後見人を虐待する、家庭裁判所の指示に従わない、介護施設への入居手続等の必要な手続きを怠り被後見人の生活や財産管理に支障をきたす
といったケースがこれに該当します。
いずれも、単に「後見人と性格が合わない」「後見人が思いどおりに行動してくれない」といった私的な理由は解任事由に当たらないので注意しましょう。
成年後見人の解任を申し立てる手続きと流れ

成年後見人を解任するには、解任事由に該当することを証明する証拠を揃えて家庭裁判所に申立てを行います。
申立を受けた裁判所が調査・審理を行い、解任するかどうか判断します。
そのため、まずは成年後見人の不正や怠慢を裏付ける証拠を収集する必要があります。
その上で、解任理由を記載した申立書を作成して家庭裁判所に提出します。申立後、裁判所調査官による事情聴取や資料の精査などの調査が行われ、裁判官が解任すべきか判断します。
解任が認められた場合、新たな後見人が選任されて後見業務が引き継がれます。
なお、裁判所の判断には時間がかかりますから、被後見人の財産を保全する必要がある場合や後見人による虐待等から被後見人を保護する必要がある場合は、解任の申立と合わせて保全処分の申立も検討しましょう。
後見人の解任申立てを弁護士に依頼する 3 つのメリット

- 解任事由の該当性を専門的に判断してもらえるため、裁判所に成年後見の変更・解任を認めてもらいやすくできる。
- 煩雑な手続きを任せられるため、申立書の作成等の負担から解放される。
- 弁護士が後見人との交渉やトラブル対応の矢面に立ち、自分は直接やり取りをしなくてよくなるため、精神的負担から解放される。
このように、弁護士に依頼することで大きなメリットを受けられます。
解任が難しい場合の対処法

解任事由に該当せず解任が難しい場合でも、後見人の業務を監視・改善する手段があります。
まず、解任申立が認められなかった場合は即時抗告の申立が可能です。即時抗告により、高等裁判所で解任の適否が再び判断されることになります。
即時抗告は審判の告知を受領した日から2週間以内に行う必要がありますから、期限を過ぎないよう注意しましょう。
また、裁判所へ監督処分の申立を行い、裁判所に後見人の業務の状況を調査してもらうことも可能です。
後見監督人の選任を申し立てることも選択肢です。後見監督人とは、後見人が適切に職務を遂行するか監督する役割を担います。後見監督人が選任されることで、後見人の職務遂行の改善や不正行為の抑止の効果が期待できます。
後見人の追加選任の申立も考えられます。追加の後見人が選任されることで、後見監督人の選任と似たような効果が期待できます。後見人同士で業務を分担することで、後見業務の質やスピード感が向上する可能性もあります。
注意点|成年後見自体を「やめる」ことは原則できません

原則として、一度開始した成年後見そのものを途中で終了させることはできません。
後見人を解任できたとしても、そもそも後見制度の目的は被後見人の保護にありますから、被後見人の判断能力が回復したと医師が診断した場合等でない限り、後見自体をやめることはできません。
解任が認められたとしても、後任の成年後見人が選任されることになります。
任意後見であれば契約を解除することで後見関係を解消することはできますが、解除することが被後見人の保護に資するのか、という視点はやはり必要でしょう。
まずは弁護士にご相談ください

成年後見人の変更・解任は、法律に定められた事由に該当する場合に限り可能であり、なおかつ、家庭裁判所への申し立てが必要です。申立に当たっては、証拠の準備や申立書の作成など、専門的知識が求められます。成年後見人を変更・解任するためには、専門家のサポートを受けて進めるのが得策です。
当事務所ではこれまで成年後見に関するご相談を受け、数多くの案件をサポートしてきました。法的観点のサポートはもちろん、依頼者の気持ちに寄り添い丁寧に対応しております。当事務所のたしかな経験とノウハウを持つ専門の弁護士がご相談をお受けしますので、まずはお気軽にお問合せください。
